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先日発表された、au HTC J Butterfly HTV31 のカメラ性能について、前回記事に引き続き、デモ機でのサンプル撮影などを元に、調査を進めた結果をご紹介したいと思います。
→ 前回記事 : HTC J Butterfly HTV31 のカメラ性能を掘り下げてみると…
現時点で調べた結果として、HTC J Butterfly HTV31 では、フロントカメラは F2.0 / 28mm のレンズを用いていることが分かりました。また、スローモーション撮影として、HD 90fps の動画撮影が可能です。
また、リアカメラ・フロントカメラ それぞれの撮影サンプルも掲載しています。あまり参考になる被写体ではありませんが。
自撮り重視ならこれ!インカメラ1300万画素! HTC J Butterfly HTV31発表。旧モデル HTL23 とスペック比較 [au 2015 夏モデル]
調査結果
前回までの調査結果と合わせ、今回の調査結果により、HTC J Butterfly HTV31 のカメラスペックは、以下の通りであることが分かりました。
リアカメラ
イメージ センサー |
メーカー | Toshiba |
ブランド | – | |
チップ セット |
T4KA7 | |
画素数 | 2,020万画素 | |
画素ピッチ | 1.12μm | |
センサー サイズ |
1/2.4″ | |
AF補助 | なし | |
手ブレ補正 | なし | |
レンズ | F値 | 2.2 |
焦点距離 | 27.8mm | |
フラッシュ | Dual-LED Flash | |
出力 | RAW撮影 | ○ |
最大 動画サイズ |
4K |
リアカメラについて、今回の記事で追加情報はありません。撮影サンプルを後で載せています。
フロントカメラ
- フロントカメラ F値 2.0 ということが確認できました。
- 2015夏モデル の中では、F値 1.9 の Galaxy S6・S6 edge に次ぐ明るいレンズです。Xperia Z4 は F値 2.4 です。
- フロントカメラ 焦点距離は、28mm (35mm判換算) ということが分かりました。
- 広角ではなく標準的なレベルの画角です。Galaxy S6・S6 edge の 22mm、Xperia Z4 の 25mm には負け、iPhone 6・6 plus の 31mm には勝つ、という位置です。
イメージ センサー |
メーカー | OmniVision |
ブランド | – | |
チップ セット |
OV13850 | |
画素数 | 1,300万画素 | |
画素ピッチ | 1.12μm | |
センサー サイズ |
1/3.06″ | |
AF補助 | なし | |
手ブレ補正 | なし | |
レンズ | F値 | 2.0 |
焦点距離 | 28mm | |
フラッシュ | なし | |
出力 | RAW撮影 | × |
最大 動画サイズ |
4K (6分まで) |
調査経過
サンプル撮影による EXIF 情報
デモ機でサンプル撮影を行い、撮影した写真の EXIF 情報を取得したところ、以下が分かりました。
35mm判換算 焦点距離は、正しい値を記録していないようです。
リアカメラ
- F値 : 2.2
- 実焦点距離 : 4.73mm
- 35mm判換算 焦点距離 : 5mm
フロントカメラ
- F値 : 2.0
- 実焦点距離 : 3.82mm
- 35mm判換算 焦点距離 : 0mm
フロントカメラ イメージセンサーについて
フロントカメライメージセンサーは、前回の記事では、Sony製 IMX214 と記載していましたが、正しくは OmniVision製 OV13850 だったようです。
Twitter で 組員 yen さんと、HTC速報さん とで、以下のやりとりが交わされていました。
https://twitter.com/HTCsoku/status/600835319840182272
デモ機で確認したところ、フロントカメラの 16:9 での最大画像サイズは 4224px × 2368px (16:9 の場合) でした。4:3 の場合は見忘れてしまいました…。
Sony 公式 の IMX214 の製品ページ (PDF) を見ると、以下のように記載されています。
- Number of effective pixels : 4224×3136
- Number of active pixels : 4208×3120
- Type 1/3.06
OmniVision OV13850 の製品ページ (PDF) を見ると、以下のように記載されています。
- active array size : 4224×3136
- Type 1/3.06
ここで、”effective” というのは、有効画素数のことであり、これはリングピクセルを含む画素数を指しているかと思われます。それに対して、”active” とあるのは、記録画素数のことであり、実際に生成される画像はこちらの大きさになります。
海外のデジタルカメラ レビューサイトである dpreview の フォーラム (英語) で、”effective” / “active” の差についての話題がありました。
有効画素数と記録画素数の違いについては後述しますが、記録画素数より大きい画像を出力することは出来ないため、Sony IMX214 ではなく、OV13850 が正解だと言えるかと思います。
誤った情報を掲載してしまって申し訳ありません。元記事も訂正しておきます。
有効画素数 と 記録画素数の違いについて
有効画素数と記録画素数に生まれる差は、イメージセンサーの画素と出力される画像の1ピクセルは対応していないことから生まれます。
画像は1ピクセル毎にR/G/B の情報を持っています。一方で、イメージセンサーは、RGGB ベイヤー配列という配置の仕方により、1画素には特定の色のみが割り当てられています。この画素は赤、この画素は緑、この画素は青、といった具合です。
これだけでは情報不足のため、近くの画素から他の色の情報を得て、計算によって補完することで RGB の情報を揃えています。
したがい、画像の端っこの辺りの情報を生成するには、その画像の周辺からも色情報を取得しないと、RGB の情報を揃えることができません。この計算のみに使われる画素がリングピクセルと呼ばれるものです。有効画素 (effective pixels) はこれも含めた数値になります。画像へ反映される画素といった意味合いに捉えると良いかと思います。
35mm判換算 焦点距離 の算出
これまでの情報から、35mm判換算 焦点距離を算出したいと思います。
リアカメラ
リアカメラ イメージセンサーは、前回記事より、T4KA7 1/2.4型だと判明しています。実焦点距離は 4.73mm ですので、35mm版換算 焦点距離を算出すると、27mm 前後(誤差含む) になるので、27.8mm という情報は正しいと思われます。
フロントカメラ
イメージセンサーサイズは、OV13850 公式ページより、1/3.06型であることが分かります。実焦点距離は 3.82mm なので、そこから算出すると、35mm判換算 焦点距離は、28mm くらい (誤差含む) になります。
デモ機 撮影サンプル画像
性能比較に適した画像ではありませんが、HTC J Butterfly HTV31 の撮影サンプルを載せておきます。
その他動作画面
ハイスピード撮影 (スローモーション撮影)
HTC J Butterfly HTV31 では、ハイスピード撮影が可能です。以下のように、動画アイコン → 真ん中 人+残像のアイコンを選ぶと、撮影できます。
撮影した動画は、HD 30fps のファイルで出力されます。元の fps は明記されていませんが、3倍再生で元の速度になっているのと、イメージセンサー T4KA7 の仕様からも、おそらく 90fps くらいの速度になっているかと思われます。
RAWカメラモードのマニュアル設定
HTV31 では、左下の○4つアイコンから、カメラモード選択画面で RAWカメラを選ぶと、RAWカメラモードの撮影になります。RAWカメラモードでは、マニュアル撮影が可能で、以下のような多数の項目を手動で指定が可能です。
- ホワイトバランス : 2300K ~ 7500K
- 露出補正 : -2 ~ + 2
- ISO : 100 ~ 1600
- シャッタースピード : 1/8000秒 ~ 2秒
- 焦点位置 (マニュアルフォーカス)
各項目をオートで指定することも可能です。isai vivid もマニュアル撮影が同様に充実していますが、それよりも使いやすく感じました。しかし、じっくり比較する時間が無かったため、気のせいかもしれません…。
自撮り重視ならこれ!インカメラ1300万画素! HTC J Butterfly HTV31発表。旧モデル HTL23 とスペック比較 [au 2015 夏モデル]
今回は以上です。