MNP 実質 0 円廃止ではなく、基本料金値下げこそ、消費者が求めるものではないでしょうか

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総務省は、携帯電話購入時の端末価格実質 0 円・高額キャッシュバックによる、長期契約者との不公平感の解消に取り組んでいます。

私の予想では、キャリアのヒアリング・指導を行うものの、さほど厳しくない感じになるかと思いきや、予想以上に本気で取り組むようです。

産経新聞が伝えるところによりますと、販売店の抜き打ち調査実施や、通報窓口を設置し、厳しく監視を行うとのことです。

昨今賑わっているこの辺りの情勢について、個人的に思うところを、ダラダラと述べたいと思います。総務省の発表したガイドラインなどは、他のメディアで取り上げられていますので、申し訳ありませんが、それらをご参照下さい。

個人的な意見としては、消費者が本当に望むところとずれている違和感が拭えません。

実質 0 円は、不公平さの現れとして目につきやすいものなだけであり、本当に対処すべきは、基本料金の値下げを伴う、料金負担の公平化ではないのでしょうか。これをやらなくては、消費者にとってメリットは無い施策となっているかと思います。

当施策がもたらす効果は以下のものとなり、消費者にとってはほとんど役に立たないものではないでしょうか。

  • 総務省の指導力を見せつける
  • 溜飲が下がる消費者も若干いるかも知れない

不公平感の本当の原因と、行うべき対策を勝手に考えてみたいと思います。

なお、当記事は数字も適当、裏付け取ってるわけでもなく、頭の中の思いを吐き出しているだけで読みづらい点が多いかも知れません…。そんな単純にはいかねーよ、という点があることは承知していますが、意見の方向性だけでも共感されるものになっていれば幸いです。

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端末・契約を継続するユーザーは実質損してしまう

新規契約期間 2 年間経過後の次のアクションとして、以下の選択肢があります (解約は除いています)。

  • (1) 現在の機種・契約のまま継続する
  • (2) 機種変更を行い、契約は継続する
  • (3) MNP を行い、他者と契約する

このうち、(3) が最もお得で、(1) が最も損な選択肢になってしまいます。

※旧プラン・3G プランからの変更などが発生する場合を除きます。
  • (1) 継続 :
    月額料金を払い、通常のサービスが提供されるのみ。割引は一切ない。
  • (2) 機種変 :
    月額料金を払い、通常のサービスが提供される他、新機種購入割引を受けることができる。
  • (3) MNP :
    月額料金を払い、通常のサービスが提供される他、高額な新機種購入割引を受けることができる。

新機種購入割引は、高額なものであれば、月額 3,000 円 (2年間で 72,000円) を超える場合もあります。MNP の場合は、さらに 20,000 円の割引もあったりします。合算して 2 年間でならすと、月額 4,000 円近い割引が発生しえます。

比較してみます。仮に基本料金を、月額 7,000 円とします。新機種の端末代金を月額 4,500 円とします。

  • (1) 継続 : 7,000 円の価値に対して、7,000 円を負担する
  • (2) 機種変 : 11,500 円の価値に対して、8,500 円を負担する
  • (3) MNP : 11,500 円の価値に対して、7,500 円を負担する
※ 11,500 円 = 基本料金分 7,000 円 + 端末代 4,500 円
※ 8,500 円 = 基本料金 7,000 円 + 端末代 4,500 円 – 機種変割引 3,000 円
※ 7,500 円 = 基本料金 7,000 円 + 端末代 4,500 円 – MNP 割引 4,000 円

これは公平な料金負担と言えるでしょうか?

私は言えないと思います。

在庫処分であったり、契約数増加のための投資としての割引は、他の小売企業等でも行っているものだと思いますが、携帯キャリアの場合はそれらを逸脱した料金体系になっているかと思います。

端末販売としては大幅赤字であり、その補填を中長期契約者が負担している状態ではないか

端末販売を 1 事業として見れば、大幅赤字になるのは間違いないでしょう。

端末の仕入価格は不明ですが、実質負担額 (毎月割などの割引適用後) の方が安い原価割れ状態であるのは間違いないでしょう。

原価割れを補填しているのは、以下の可能性があります。

  • 補填1. 割引を受けない料金を払っているユーザー (前掲 (1) の端末を継続利用しているユーザー) の基本料金
  • 補填2. 割引を受けているユーザー自身の基本料金

補填1. で賄っているとするならば、なぜ他ユーザーの端末代金を負担しなければならないのでしょうか。おかしいですよね。

補填2. で賄っているとするならば、即ち、端末代の割引込の基本料金を設定しているとするならば、同じ金額を支払っている、前掲 (1) の端末継続利用ユーザーも同じ分の割引を受ける権利があるはずです。どこへいってしまったのでしょうか。

実際には、両者のミックスだろうと思いますが、いずれにしても端末代の割引を織り込んだ高額な基本料金が設定されているわけです。そして、それは端末代の支払いが終わった後にも負担し続ける仕組みになっています。端末を大事に長く使えば使う程実質的に損をする仕組みです。

これこそが、最もおかしい、不公平感を生じる原因だと思うのです。

そして、それをキャリア各社は巧妙に隠しているのが現状だと思います。「実質価格」という言葉で、実際の端末代を分かりづらくし、割引は基本料金から割り引くことで端末代との結びつきを分かりづらくし、煙に巻いています。

ライトプランの新設は根本的解決ではない

総務省の指導の 1 つに、月額 5,000 円程度のライトプランの新設があり、キャリア 3 社はそれを受けて、月 1GB プランや、家族シェア 5GB プランなどを新設する等で対応しました。

これによって、通信量が少ないユーザーにも高額なプランしか選択肢が無い問題は、改善するかと思います。

しかし、前述の高額な基本料金の枠組みの中で、選択肢が増えたにすぎない話です。

根本的解決のために、端末販売を別会社化すれば良いのではないか

現在はキャリア各社が直接端末販売も行っています。

それにより、通信料金 (基本料金) と端末代金と割引とがごちゃ混ぜ状態で不透明になっています。

これを通信サービスを提供する会社と、端末を販売する会社を分離し、単独で採算を行い、それぞれ黒字化させるようにしたら良いのではないでしょうか。

そうすることで、端末購入時に購入者がしかるべき金額を負担することになるかと思います。

結果として、端末代 実質 0 円という販売は行えなくなるでしょう。もし、メーカー負担による在庫処分があれば可能かも知れませんが、それは問題無いかと思います。

通信サービス側は、端末代割引の負担がなくなるため、基本料金を値下げすることが出来るようになるはずです。これをやらなくては、端末購入者の負担が増えるだけで、何も意味ありません。総務省が監督して指導するならば、実質 0 円販売よりも、そこをこそ、ではないかと思います。( 本来であれば、自然な競争原理によって行われると良いのですが、各キャリアは競争する気がないですから … )

このように、実質 0 円廃止は、結果として起こるものであり、廃止を目的として行うものではないかと思います。

おまけ : MVNO との健全な競争のために、キャリア優遇サービスを根絶すべき

近年 MVNO が活発化しています。私自身も利用しています (現在は mineo)。

しかし、MVNO を利用するに当たり、今も壁として立ちはだかるのが、利用時にキャリアメールアドレスを求めるサービスです。

これらは、MVNO とキャリアとの間の競争を妨げ、キャリアを有利に導いているものだと言えるかと思います。

サービス提供側が行いたいのは、複数取得可能なフリーメールアドレスでなく、回線契約に紐づくメールアドレスであれば十分であり、ドコモ・ソフトバンク・au の回線である必要は無いはずです。

こういったことがあるが故に、MVNO に完全に乗り換えられないユーザーもいるのではないでしょうか。

総務省はこういったところの指導を行って、健全な競争環境を整備するようにして欲しいです。

サービス提供側の改修が必要になりますが、0 → 1 ではなく、選択肢が増えるだけですので、それほど大きな費用負担は発生しないのではないかと思います。

仕組みとしては、ユーザー → MVNO 事業者に「これこれのサービスで〜」と要求し、MVNO 事業者がサービス提供会社へ対応を要請し、サービス提供会社は 6 ヶ月以内に対応すること、みたいな仕組みで出来そうな気がします。


今回は以上です。

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