LTE カテゴリー6 とは? 【最近の LTE 関連技術 #01】

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2015夏モデルのスマホや、次期 iPhone 6s の噂だったりで、LTE Cat.6 対応、LTE-Advanced 対応、などと謳われています。最近の LTE 関連の通信技術について、それって一体何だっけ?というのを、まとめたいと思います。

イメージ画像

まずは、LTE カテゴリー について調べました。対象者としては、専門家の方ではなく、一般の方向けに分かるように解説したいと思います。

今回は、LTE カテゴリーとはどんなものかについてまとめます。実際の端末の対応状況などは次回の記事で扱う予定です。

今後の記事で、LTE-Advanced や、ドコモ プレミアム4GVoLTEプラチナバンドなどの通信技術なども取り上げたいと思います。

LTE UE Category は端末性能についての規格

LTE Category とは、端末側の通信性能についての規格になります。

ざっくり言えば、この端末はこんな通信が出来ますよ、という内容です。カテゴリーが上なものほど、高速かつ複雑な通信が可能なイメージを持っておいて良いかと思います。

LTE カテゴリーは、LTE ue Category (LTE User Equipment Category) とも呼ばれます。User Equipment は、端末が具備しているということです。

以降では、単に LTE Category と表記します。

 

LTE ue Category は 3GPP が策定した規格

規格を決めているのは、3GPP (3rd Generation Partnership Project) というプロジェクトです。

3GPP は、W-CDMA や LTE 等の仕様検討・作成を行う標準化のためのプロジェクトです。各国の標準化団体が集まっている国際的なプロジェクトです。

元々、NTT docomo や SoftBank が 3G 通信方式として採用している W-CDMA を扱っていて、その延長として LTE も取り扱うようになった経緯で 3G の名を冠しています。

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携帯動画などに見られる 3GPP ファイルは、3GPP が策定したファイルフォーマットに従ったファイルです。

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au 等が採用している 3G 方式として採用している CDMA2000 は、3GPP2 というプロジェクトにて、仕様の検討・作成が行われました。

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LTE Category で規定されている内容

LTE Category では、主に以下の要素により、最高速度が決まります。

  • 下り / 上り で使用できる変調方式 (QPSK、16QAM、64QAM、256QAM)
  • 下り / 上り で使用できる MIMO
  • その他通信高速化技術

変調方式

変調方式とは、同じ電波にどれだけの情報を載せられるか、というイメージになります。AM や FM も変調方式の一種です。QPSK < 16QAM < 64QAM < 256QAM の順に情報量は多くなりますが、多くの情報を載せるためには、複雑な制御が必要になるかと思います。

詳細な技術的内容は Wikipedia 等が参考になるかと思います。

 

MIMO

MIMO とは、Multi Input Multi Output の略です。端末・基地局間で複数アンテナを利用することで、通信速度を高める技術になります。イメージとしては、道路 1本 (アンテナ 1つ) よりも、並行して走る道路 2本 の方が、より多くの車 (情報) が流れるイメージです。

これは高速化に非常に効果的で、アンテナが 2倍 になると、通信速度もほぼ 2倍高速化されます。

ただし、アンテナを増やすにあたり、以下 2点の制約等から無条件に増やすわけにはいきません。

  • 搭載用の物理的なスペースが必要です。
    アンテナ同士が近すぎると干渉したりもあるかと思います。
  • アンテナを増やすと電力消費量が増えます
    2台分の通信を1台で行っているようなイメージです。

当分、スペースに余裕のないスマホでは、2×2 MIMO が採用され続けるだろう、という予想もあります。

実際のアンテナ写真は、Gigazine に iFixit による iPhone 6plus の分解レポート解説などから見ることができます。以下に一部引用させていただきます。

iPhone6plus antenna

写真の左から右に向かって伸びている線状のものがアンテナです。

 

その他高速化技術

申し訳ありませんが、具体的には理解できていません。イメージでは、電波の利用効率を上げるような、基地局と端末とのやり取りの仕方などかと思います。

変調方式、MIMO が同一でも最高速度の異なるカテゴリーがあるため、それらだけではないんだな、ということが押さえておけば良いかと思います。

 

3GPP による LTE ue-Category の具体的な内容 (速度など)

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細かい経緯などはすっ飛ばしても良いかと思います … 。Category 毎の速度を速く知りたい方は、表の部分まですっ飛ばして下さい … 。

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LTE ue-Category は、3GPP Release 8 (2008 Q4) という技術仕様にて、Category 1〜5 が定義されました。その後も新技術などが盛り込まれ、順次発表されています。3GPP Release には、LTE Category だけでなく、基地局側の技術など多くの内容を含んでいます。

  • Release 9 (2009 Q4)
  • Release 10 (2011 Q1)
  • Release 11 (2012 Q3)
  • Release 12 (2015 Q1予定?)

LTE Category は、3GPP Release 12 から非常に複雑になります。Release 8 〜 11 では、ダウンロードもアップロードも含めて、端末として 1つの Category が割り当てられる形でした。Release 12 では、ダウンロードとアップロードと、それぞれに Category を割り当てるようになりました。

  • Release 11 まで
    • この端末は Cat. 5 対応
      • ダウンロード : 最大 300Mbps、アップロード : 最大 75Mbps、
  • Release 12 から
    • ダウンロード : Cat. 9 対応
      • 最大 450 Mbps
    • アップロード : Cat. 5 対応
      • 最大 75 Mbps

さらに、Cat. 11 対応であれば Cat. 9, 6, 4 も対応している、といった包含関係もあったりするため、非常に複雑です。

今後の端末スペックとしては、LTE Cat. xx 対応、といった表記はあまりされなくなっていき、単純に 最大 300 Mbps 、といった表記になるのではないかと思います。

元々、端末スペックを購入者に伝えるための規格ではなく、端末側と基地局との間で、対応通信方式をやり取りするための規格ですので、本来の役割に戻る感じと言えるかも知れません。

ところで、正確な用語としては、ダウンロード / アップロードではなく、Downlink / Uplink ですが、エンドユーザー的見方?としては、分かりやすく ダウンロード / アップロードの表現で進めたいと思います。

 

3GPP Release 11 までの LTE Category

3GPP Release 11 まででは LTE Category は以下のようになります。これらは、端末の最大通信速度の能力であり、実際には基地局などキャリア側の対応も必要になったりします。その辺りは後述します。

ue Category 3GPP
Release
ダウンロード アップロード
Cat. 含Cat. 最大
ピーク
レート
(Mbps)
最大 空間
レイヤー
数(MIMO)
最小
CC数
最高
変調
方式
最大
ピーク
レート
(Mbps)
最高
変調
方式
1 Rel. 8 10 1 1 64
QAM
5 16
QAM
2 50 2 25
3 100 50
4 150 50
5 300 4 75 64
QAM
6 4 Rel. 10 300 2 or 4 1 or 2 50 16
QAM
7 4 100
8 5 3,000 8 5 1,500 64
QAM
9 6,4 Rel. 11 450 2 or 4 2 or 3 50 16
QAM
10 7,4 100
11 9,6,4 600 2,3 or 4 50
12 10,7,4 100

CC とは、コンポーネントキャリア (Component Carrier) のことで、キャリアアグリゲーション (CA) で束ねる帯域の数のことです。つまり、Cat. 8 〜 12 では CA 対応必須 ということが分かります。

Category の包含関係からは、以下の 3系統があるようだ、ということが分かります。

  • Cat. 4 – Cat. 6 – Cat. 9 – Cat. 11
  • Cat. 4 – Cat. 7 – Cat. 10 – Cat. 12
  • Cat. 5 – Cat. 8

第1系統と第2系統の違いは、アップロード速度です。その他高速化技術の部分での差かと思われます。

第3系統は、最高でここまでいけるはず、という感じでしょうか。LTE Cat. 8 で最大 DL 3Gbps / UL 1.5 Gbps にも達していますが、MIMO 8×8 で 8本のアンテナを用意する必要があり、CA も5本束ねる、という非常に高いハードルのため、実装された端末が登場するのは、まだまだ相当先になるでしょう。

覚えておくとしたら、Cat. 4/5 → Cat. 6/7 → Cat. 9/10 → Cat. 11/12 の順に技術の世代みたいなものがあるようだ、というところでしょうか。また、今後は通信高速化において、キャリアアグリゲーションが非常に重要だ、というところは覚えておいて良いかと思います。

 

3GPP Release 12 における LTE Category の定義

前述の通り、3GPP Release 12 では LTE Category は、ダウンロード、アップロードそれぞれに決められています。

Rel. 11 までだと、ダウンロードとアップロードの組合せ毎にカテゴリーがつくられていたため、カテゴリー数がどんどん増えていく勢いでしたが、分けることにより整理されています。

ダウンロード アップロード
Cat. 最大
ピーク
レート
(Mbps)
最大 空間
レイヤー
数(MIMO)
256
QAM
サポート
Cat. 最大
ピーク
レート
(Mbps)
64
QAM
サポート
0 1 1 × 0 1 ×
6 300 2 or 4 3 50
7 5 75
9 450 2 or 4 7 100 ×
10 8 1,500
11 600 13 150
12
13 390
14 3,900 8

 

ダウンロード Cat. / アップロード Cat. の組合せに対して、含まれる LTE Category

3GPP Rel. 12 では、ダウンロード Cat. と アップロード Cat. がそれぞれに設定されました。その組合せによって、どの Cat. に当てはまるか ( DL/UL-Cat. ではなく、Rel. 11 までの Cat. ) が決まるようです。

ダウン
ロード
Cat.
アップ
ロード
Cat.
含 Cat.
DL Cat.  0 UL Cat.   0 なし
DL Cat.  6 UL Cat.   5 Cat. 6, 4
DL Cat.  7 UL Cat. 13 Cat. 7, 4
DL Cat.  9 UL Cat.   5 Cat. 9, 6, 4
DL Cat. 10 UL Cat. 13 Cat. 10, 7, 4
DL Cat. 11 UL Cat.   5 Cat. 11, 9, 6, 4
DL Cat. 12 UL Cat. 13 Cat. 12, 10, 7, 4
DL Cat. 13 UL Cat.   3 Cat. 6, 4
DL Cat. 13 UL Cat.   5 Cat. 6, 4
DL Cat. 13 UL Cat.   7 Cat. 7, 4
DL Cat. 13 UL Cat. 13 Cat. 7, 4
DL Cat. 14 UL Cat.   8 Cat. 8, 5

大分ややこしいですので、覚える必要はないかと思います。色々な組合せが可能なんだなー、位に覚えておけば良いかと思います。

 

ひとこと

LTE Category が、誰が決めた、どんなものかということをご紹介しました。

次回は、LTE Category がどのハードウェアによって決まるか、や実際の端末の対応状況についてまとめたいと思います。

 

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参考、 出典

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今回は以上です。


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