Android 5 Lollipop でスマホでも利用できるようになったマルチユーザー機能の便利な使い方など

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スマホの2015夏モデルでは、各社 Android 5 Lollipop に対応した端末が発売されます。

Android 5 Lollipop で追加された機能の 1 つとして、個人的に注目しているのは、マルチユーザー機能です。

マルチユーザー機能が利用できる 2015夏モデルは、Xperia のみになりそうですが、そもそもマルチユーザー機能はどんなもので、何ができるのかをご紹介したいと思います。

マルチユーザー機能がなくても、これまで同様に問題なく快適に使えます。安心して下さい。しかし、マルチユーザー機能を利用できると、これまではできなかった、ちょっと安全・便利に使える場合が生まれます。

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2015/10/05 更新: 一部コンテンツが AdSense ポリシー違反であったため、削除しました。

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マルチユーザー機能の概要

マルチユーザー機能は、タブレットでは Android 4.2 Ice Cream Sandwitch から利用可能だった機能です。Android 5 Lollipop からスマホでも利用可能になりました。

 

マルチユーザー機能では、メインユーザーの他にサブユーザー、ゲストユーザーを作成することができます。最大で、メインユーザー + 2 サブユーザー + 1 ゲストユーザー で計 5 ユーザーまで作成可能です。

メインユーザーは、サブユーザー・ゲストユーザーに通話・SMSの機能を 許可 / 制限 することができます。

 

ユーザー間では、データ、アプリ、アカウントが分かれます。他ユーザーのデータやアカウントやアプリを見ることはできなくなります。ただし、端末に設定される情報、および、SDカードのデータは共有され、他のユーザーもアクセスできます。つまり、セキュリティはガチガチではなく、緩めですので、油断は禁物です。

いくつか例を挙げます。

  • 他ユーザーから見れないもの : アプリやアカウント
    • 電話帳データ
    • メール
    • Twitter アカウント、Facebook アカウント などアプリに設定するデータ
    • 内部ストレージに保存された写真
  • 他ユーザーからも見れるもの : 端末に設定される情報、SDカードに保存されたデータ
    • 発着信履歴
    • SIM カードの情報 … 自分の電話番号や SIM に設定された連絡先
    • SDカードに保存された写真
    • Wi-Fi や Bluetooth の設定情報

Google アカウントとユーザーとは 1 : 1 ではありません。別ユーザーに同じ Google アカウントを登録することもできます。

 

マルチユーザー機能が役立つ場面

怪しいアプリを試しにインストールする場合

サブユーザーの場合、メインユーザーの電話帳などの情報を見ることが出来ませんので、個人情報流出の心配がちょっぴり減ります。

ただし、セキュリティ的には安心できる程ではありませんので、本当に怪しいアプリは、個人情報を全然入れていないキレイな端末を用意した方が良いと思います。

電話帳のデータ、通常利用している Google アカウント、Facebook アカウント、Twitter アカウントなどをアプリに知られたくないかな、という程度の場合に有効かと思います。

 

 

友人に自分のスマホを触らせる場合

ゲストユーザーに変更してから渡すことで、見られたら困るアプリを見られる心配が減ります。

アプリがSDカードではなく内部ストレージにデータを保存している必要がありますので、見られてまずいものがある場合は、事前に見えないことを確認しておいた方が良いかと思います。

 

スマホを誰かと共用する場合

例えば、子どもがゲームするために、スマホを一時的に使わせたりする場合に有効かも知れません。

専用の Google アカウントを作成しておき、クレジットカードなど支払情報を未登録にしておけば、気づかぬうちに課金していた、ということは防げるかと思います。最近の Google Play では支払いが発生する場合はパスワードを要求できるので、大丈夫ではありますが。

Google Play のインストール履歴を見られないようにする、あるいは余計なインストール履歴が残らないようにするには、マルチユーザー機能は効果があるかと思います。

 

1アプリを複数起動したい場合

スマホアプリで不便だと思うのが、1アプリを複数起動できない点です。例えば、Google Map からナビを実行中は、ナビを解除しないと Google Map を見ることが出来ません。

こんな時に、ユーザーを一時的に切り替えてアプリを起動することで、アプリを複数起動することが出来ます。

 

複数アカウントに対応していないアプリを複数アカウントで利用する場合

例えば Facebook で複数アカウントを利用している場合、1ユーザーで複数アカウントの利用はできないため、一々ログアウトして別アカウントでログインし直すというのが毎回必要になります。

複数ユーザーを利用できる場合は、ユーザー毎に別アカウントを設定しておくことで、ユーザーを切り替えるだけで、アプリのアカウントを切り替えることができます。

ただし、別ユーザーの通知は受け取れないため、通知を受け取る必要のあるアカウントは、メインユーザーに設定しておきましょう。

マルチユーザー機能の注意点

アプリが対応していない場合があります

例えば、ヨドバシカメラの電子書籍アプリ Doly はサブユーザーでは検索・購入はできても、肝心の閲覧が出来ません。 (アップデートでいずれ修正されると思います)

アプリのアップデートはユーザー間で共通

アプリの本体は共有し、アプリで使用するデータのみがユーザー毎に分けられるため、あるアプリをあるユーザーがアップデートすると、全てのユーザーにそのアップデートが適用されます。

データ領域を圧迫します

アプリ本体の容量は共有しますが、アプリで使用するデータについては、ユーザー毎に作成されます。内部ストレージ 16GB など、あまり多くない機種の場合は、データ容量不足にご注意下さい。

 

ひとこと

マルチユーザー機能でどんな使い方ができるかが、少しイメージしてもらえたら幸いです。

特段なくても困る程ではありませんが、あって困るものでもないかと思います。

できれば、Android OS として、SDカードのデータもアクセス権限を分けるなど、マルチユーザーでのセキュリティをさらに強化されると、さらに使い道が広がるかとは思います。一口でセキュリティ強化と言っても、どんな仕様にするか、どんな仕組みで実現するか、どう互換性を確保するか、課題は山積みになるので、非常に大変なのは間違いないです。

しかし、BYOD (Bring Your Own Device : 仕事にも自分の端末を利用できるようにする、といったようなもの) に期待が高まっていたりと、企業向けの需要はきっとありますので、Google 先生のお力で何とかしてくれると嬉しいですねー。

 

とりあえず、本日 05/28-05/29 は Google I/O です。Android M の発表がある、という噂もあります。

日本時間では、05/29 朝方に Android に関する発表があるようですので、注目したいと思います。

 

今回は以上です。


 

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