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Miracast は WiFi を利用して、画面や画像・動画をリモートで送受信する規格です。端末の画面をまるごと送信する (ミラー) ことができます。
スマホとの連携に、以下のような専用機がよく利用されています。
- Google Chromecast (※ こちらは、Miracast ではありませんが)
- Amazon Fire TV
- Amazon Fire TV Stick
- Microsoft Wireless Display Adapter
しかし、専用機を用意せずとも、Android アプリで受信をすることが可能です。ただの Android 端末が Miracast 受信機に早変わり!というわけです。
当記事では、以下の内容をご紹介したいと思います。
- Miracast sink (受信) をアプリで行うメリット・デメリット
- Miracast sink (受信) アプリの使いドコロ
- 以下の 3 件のアプリそれぞれの特長
※ それぞれのアプリの使い方については、別記事にてご紹介致します。
※ source (送信) 端末の操作については、別記事にてご紹介致します。
アプリによる Miracast 受信のメリット・デメリット
専用機とアプリとで Miracast 受信について、それぞれのメリットを比較すると、以下のようになるかと思います。(全て私見です)
観点 | アプリ | 専用機 | ||
費用 | ○ | 無料で試すことができる | × | 費用がかかる (5,000円程〜) |
可搬性 | ○ | 受信側端末を 自由に持ち運び・ 移動できる |
× | TV・ディスプレイ等 基本的に動かせない ( HDMI 接続のため ) |
大画面での 表示 |
× | 受信側端末を MHL 等で別途接続する 必要がある |
○ | 専用機を HDMI 接続すれば 簡単に利用できる |
遅延・ノイズ | △ | アプリにより大小あれど、 遅延・ノイズは発生する |
? | ( 利用していないため回答不能) |
クライアント との相性等 |
△ | 端末によっては、 接続できない場合が 発生したりする |
○ | 動作確認済みの クライアントであれば、 (原則) 問題なく接続できる |
サポート | × | なし (アプリ作者による) | ○ | あり |
Miracast sink (受信) アプリの使いドコロ
Miracast sink (受信) アプリの使いドコロについて考えてみると、意外と (?) 限られるかと思います … 。私が思いついたのは、以下のような使い方です。
- 目の届かないところを、カメラで映し、手元の端末にて確認する
- 手元の端末の写真を、タブレットでみんなで見る
- Miracast がどんなものか、とりあえず体感してみる
上記に限られるのは、アプリでの利用は端末 to 端末であり、受信側もスマホまたはタブレットの端末になります。画面は小さい代わりに、持ち運び可能なところが大きなメリットです。
以下のような使い方であれば、HDMI 接続が可能な専用機を利用する方が、簡単・快適なのは間違いないでしょう。
- TV・ディスプレイなどの大画面で、写真・動画・ゲームを表示する
私は目の届かない所を見る用途で、Miracast を (たまに) 使っています。以下のような手順でできます。
[pn-box color=”lgray” ]やること : 目の届かない所を見る
操作 :
- 端末 A (sink 受信側) でアプリを起動
- 端末 B (クライアント = source = 送信側) から画面のミラーで端末 A に Miracast 接続
- 端末 B でカメラを起動し、目の届かない所にカメラを向ける
- 端末 A で画面を確認する
パソコンや棚の裏側など、顔を入れられず目が届かないけど、手は入れられるような場所であれば、この方法で見ることができます。ライト ON にしておけば、暗いところでもバッチリです。
遅延は発生しますが、しばし待てばイイだけですので、問題なく利用できます。
各アプリの簡単な特長
各アプリの使い方は、別記事にてご紹介したいと思いますが、先ずはそれぞれの特長をご紹介したいと思います。
個人的には、Miracast Player > PowerCast > WiFi-Display (miracast) sink の順にオススメです。
なお、使い方の記事にて詳しく説明する予定ですが、規格上已む無しなのか、いずれのアプリでも接続にはやや時間がかかったり ( 1〜3 分程度 )、1 回で接続できず、リトライが必要になったりします。焦らず待つ心が必要です。
Miracast Player
Miracast Player の特長は以下の通りです。
- [○] クライアント画面が隠れることなく表示されます。
- [○] 無料で広告も表示されません。
- [○] 画面・音ともに遅延こそあれ、ノイズも少なく動画視聴が可能なレベルです。
- [××] 受信側端末名を 「Sink-XXXXX」に勝手に変更してしまいます。
( アプリ終了後に、端末の WiFi-Direct 設定画面から修正することは可能です ) - [×] 接続が比較的不安定です。
PowerCast
PowerCast の特長は以下の通りです。
- [○] 起動するだけなど、手軽に使えます (設定項目が無い)。
- [○] 比較的安定しています。
- [○] 遅延が比較的少ないです。
- [×] 上下 10% 程度が PowerCast のバナーに占められ、クライアント画面の一部が常に隠れます。
- [×] 画面・音ともにノイズの発生があります。動画視聴にはオススメできません。
WiFi-Display (miracast) sink
WiFi-Display (miracast) sink の特長は以下の通りです。
- [○] 国産アプリです。接続経過情報などが表示されるので、安心して接続待ちが可能です。
- [○] 設定により、解像度・明るさ・音量の変更が可能です。
- [×××] 明示的に HDCP 未対応なため、クライアント端末によっては、ほぼ使い物になりません。( Xperia : × // HTC One M8 : ○ // Nexus 5 : ○ )
- [×] 画面下部 10% 程に広告が表示され、クライアント画面の一部が常に隠れます。
まとめ
- Miracast sink (受信) 可能な無料アプリもあります
- 目の届かないところをカメラで見る、等の使い方があるかと思います
- 大画面に表示させたいなら、専用機購入がオススメです
- オススメアプリは、Miracast Player > PowerCast > WiFi-Display (miracast) sink
今回は以上です。